专利摘要:
ワクチンを安定化するための組成物および方法に関する。本発明は、ウィルス様粒子(VLP)の総合的安定性を高めるための、糖ガラスと関連したVLPを開示しまた特許請求する。これらのVLP製剤は、世界的に、VLP系ワクチンのコストを低減し、その配給および流通を拡大する。本発明はまた、上記製剤を製造する方法および患者に送達する方法を特許請求する。なし
公开号:JP2011514337A
申请号:JP2010547860
申请日:2009-02-25
公开日:2011-05-06
发明作者:シェノイ,ディネッシュ;ロビンソン,ジェームス
申请人:ノババックス,インコーポレイテッド;
IPC主号:A61K39-12
专利说明:

[0001] 本発明は、ウィルス様粒子(VLP)を糖ガラス(sugar glass)と関連させることによるVLPの安定化に関する。]
背景技術

[0002] 一般に推奨されているワクチンの大部分は、35oF〜46oF(2℃〜8℃)の貯蔵温度を必要とし、凍結温度にも、また室温を超える温度(約22℃〜25℃)にも曝すべきではない。1995年の水痘ワクチンの導入、またより最近の弱毒化インフルエンザワクチン(LAIV)の導入は、ワクチン貯蔵の複雑性を増加させた。水痘ワクチンおよびLAIVは両方とも、凍結−解凍サイクルなしに<5oF(−15℃)の連続した凍結状態で貯蔵しなければならない。]
[0003] 最近、不適切なワクチン貯蔵の例が報告されている。供給者のおよそ17%〜37%はワクチンを不適切な貯蔵温度に曝し、冷蔵庫の温度を暖かすぎる状態よりも冷やしすぎる状態に保つことが、より通常である。それら凍結温度は、35oF〜46oF(2℃〜8℃)で貯蔵する必要のあるワクチンの効力を不可逆的に低下させる恐れがある。ある種の凍結の影響を受けやすいワクチンは、凍結温度に曝された場合に沈殿するアルミニウムアジュバントを含有する。これは、アジュバントの効果およびワクチンの効力の減損を引き起こす恐れがある。凍結温度に曝された後の物理的変化は必ずしも明らかでなく、ワクチンの効力の低下を引き起こすのに、目に見える凍結の兆候は必須ではない。大部分のワクチンの効力は、暖かすぎる貯蔵温度によって悪影響を受ける可能性があるが、この影響は冷やしすぎる温度による減損よりも一般には漸進的で、予測可能で、かつ規模が小さい。対照的に水痘ワクチンおよびLAIVは、連続した凍結状態で貯蔵する必要があり、その推奨温度範囲を超えて貯蔵した場合は効力を失う。]
[0004] ウィルス様粒子(VLP)は、疾患(例えばインフルエンザ)に対するワクチンとして有用である。ウィルス様粒子(VLP)はビリオンにきわめて似ているが、ウィルスのゲノム物質(すなわちウィルスのゲノムRNA)を含有しない。したがってVLPは本質的に非複製的であり、これはそれらを免疫原性組成物(例えばワクチン)の形態での投与にとって安全にする。さらにVLPは、VLPの表面でエンベロープ糖タンパク質を発現させることができ、これがその主要な生理学的形態である。さらに、VLPは無傷ビリオンに似ており、かつ多価粒子構造であるので、VLPはエンベロープ糖タンパク質に対する中和抗体を誘発させる点で、可溶性エンベロープ抗原よりもより効果的である可能性がある。さらにVLPは、多くの組換えワクチンの手法と違って、ワクチン接種した宿主に繰返し投与することができる。しかしながら水痘ワクチンおよびLAIVと同様に、VLPは温度変化の影響を受けやすく、制御された環境で保たれなければならない。理想的なVLP製剤は、配給を容易にするために高温(約25℃を超える)および低温(約2℃未満)に耐えるはずである。]
[0005] 温度に関連するワクチンの劣化を避けるための現在の方法は不十分である。例えば弱毒化ワクチン(およびある種の非生ワクチン)は、それらの本質的な不安定性のために凍結乾燥されることが多い。これら凍結乾燥製品は、投与の直前に希釈剤で再構成される。凍結乾燥は、ワクチン生産の時間のかかる、かつ容量を制限する工程であるため、凍結乾燥ワクチンは、一般に多回用量ガラス瓶の状態で提供される。幾つかの世界的ガイドラインでは、多回用量ガラス瓶中の未使用のワクチンは、汚染の可能性および効力の減損の懸念があるため再構成後6時間以内に廃棄することが必要とされる。これはワクチンの損耗を引き起こし、配給されるワクチン量の50%以上の損失の原因となることがある。]
[0006] 公衆衛生の領域では凍結防止のための一般的な取組みは、コールドチェーン(cold chain)を強化し、最適化することである。この取組みの欠点には、コールドチェーン設備を拡張し、更新し、改良すること、その設備を監視すること、および設備の使用者を訓練することに伴う費用が挙げられる。さらに、コールドチェーンの改善は凍結による損傷を最小限に抑えるが、そのような改善は凍結による損傷の発生をなくすことはないであろう。さらにコールドチェーンの改善は、より寒冷な地方ではコールドチェーン外で起こる凍結を緩和しないであろう。]
発明が解決しようとする課題

[0007] 温度の影響を受けやすいワクチンを安定化するための組成物および方法、特にワクチンを安定化するための組成物および方法に対する必要性が残っている。]
課題を解決するための手段

[0008] 本発明は、少なくとも1種のウィルス様粒子(VLP)と糖ガラスとを含む組成物を含む。一実施形態では前記糖ガラスは、単糖および/または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。別の実施形態では前記VLPおよび前記糖ガラスは粉末である。別の実施形態では前記粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される。別の実施形態では前記粉末は、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する。別の実施形態では前記粉末は、前記糖ガラスを溶解しない非水性溶媒中に懸濁される。別の実施形態では前記非水性溶媒は、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル、中鎖トリグリセリド、短鎖、中鎖、長鎖モノ、ジ、トリグリセリド、脂肪族および芳香族アルコールまたはこれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、または粘膜(例えば舌下または頬側)投与される。別の実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のウィルスタンパク質を含む。別の実施形態では前記ウィルスタンパク質は、インフルエンザ、RSV、および/またはVZV由来のものである。別の実施形態では前記VLPは、糖ガラスを伴わないVLPと比べた場合、増加した安定性を有する。]
[0009] 本発明はまた、少なくとも1種のVLPと糖ガラスとを含む組成物を含み、前記VLPは糖ガラスなしの前記組成物と比べた場合、増加した安定性を有する。別の実施形態では前記増加した安定性は、増加した熱安定性である。別の実施形態では前記糖ガラスは、単糖または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。別の実施形態では前記安定化糖ガラスVLPは粉末である。]
[0010] 本発明はまた、VLPおよび糖ガラスを含む乾燥粉末製剤を含む。一実施形態では前記糖ガラスは、単糖または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。別の実施形態では前記乾燥粉末は、噴霧乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して吸入器を用いて吸入により、および/または高圧空気の噴射を用いて皮下に、投与される。]
[0011] 本発明はまた、固形の糖ガラス化VLPを溶媒中で再構成すること、および前記再構成したVLPを動物に投与することを含む、糖ガラスで安定化したVLPの送達方法を含む。一実施形態では前記粉末は、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される。]
[0012] 本発明はまた、吸入および/または注入により固形の糖ガラス化VLPを投与することを含む糖ガラスで安定化したVLPの送達方法を含む。]
図面の簡単な説明

[0013] VLPをガラス化する前のVLPのSDS PAGEおよびウェスタンブロットを示す図である。
VLPをガラス化した後のVLPのSDS PAGEおよびウェスタンブロットを示す図である。
VLPのガラス化前および後のVLPのSDS PAGEおよびウェスタンブロットを示す図である。]
[0014] 本明細書中で使用される用語「アジュバント」とは、製剤中の特異的免疫原(例えばVLP)と組み合わせて使用した場合、その得られる免疫応答を増加させるか、それとも変更または改変することになる化合物を指す。免疫応答の改変には、抗体および細胞免疫応答の一方または両方の特異性を増強または広げることが含まれる。免疫応答の改変はまた、ある種の抗原特異的免疫応答を低減または抑制することを意味する場合もある。]
[0015] 本明細書中で使用される用語「周囲」温度または状態は、所与の環境中での任意の所与の時刻のものである。一般には周囲の室温は約22℃であり、また周囲大気圧および周囲湿度は容易に測定され、かつ時季、気象条件、標高などに応じて変わるはずである。]
[0016] 本明細書中で使用される用語「バッファー」とは、その酸−塩基コンジュゲート成分の作用によってpHの変化に抵抗する緩衝溶液を指す。一般にはバッファーのpHは、その選ばれた活性物質を安定化するために選択されるはずであり、当業者によって確かめることができるはずである。ある種のタンパク質はより広範囲のpH、例えば酸性pHにおいて安定な場合もあるが、一般にはバッファーのpHは生理的pHの範囲内にあるはずである。したがって好ましいpH範囲は約1〜約10であり、約3〜約8、約6.0〜約8.0、約7.0〜約7.4、および約7.0〜約7.2が含まれる。好適なバッファーには、pH7.2のリン酸バッファーおよびpH7.0のクエン酸バッファーが挙げられる。当業者は分かっているはずだが、使用することができる非常に多くの好適なバッファーが存在する。好適なバッファーには、これらに限定されないがアミノ酸、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ヒスチジン−HCl、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、重炭酸および炭酸アンモニウムが挙げられる。一般にバッファーは、約1mM〜約2Mのモル濃度で使用され、約2mM〜約1Mが好ましく、特に約10mM〜約0.5Mが好ましく、とりわけ25〜50mMが好ましい。]
[0017] 本明細書中で使用される用語「有効用量」とは、一般には、免疫を誘発するため、ならびに/あるいは感染症を予防および/または寛解するため、あるいは感染症の少なくとも1つの症状を緩和するため、ならびに/あるいは別の用量のVLPの効力を高めるために、十分なVLPの量を指す。有効用量は、感染症の兆候を遅らせるか、または最小限に抑えるのに十分なVLPの量を指す場合もある。有効用量はまた、感染症の治療または対処において治療上の利点を与えるVLPの量を指す場合もある。さらに有効用量は、感染症の治療または対処において治療上の利点を与える、本発明のVLP単独の、または他の療法と併用しての量である。有効用量はまた、その後の感染因子への曝露に対して被検体(例えばヒト)自体の免疫応答を高めるのに十分な量である場合もある。免疫のレベルは、例えばプラーク中和、補体結合、酵素免疫吸着、またはマイクロ中和検定によって、例えば中和分泌抗体および/または中和血清抗体の量を測定することによって監視することができる。ワクチンの場合、「有効用量」は、疾患を予防し、かつ/または症状の重篤度を緩和する量である。]
[0018] 本明細書中で使用される用語「賦形剤」とは、一般には、ガラス化(例えば噴霧凍結法による)の間の、またその後の長期貯蔵のための治療薬の安定性を高めるために加えられる化合物または物質を指す。好適な賦形剤は、例えば、水と接触したとき濁らないかまたは重合せず、患者に投与したとき基本的に無害であり、かつその生物活性を変えるようには治療薬と顕著に相互作用しない薬品であることができる。好適な賦形剤を下記に述べる。それらには、これらに限定されないが、タンパク質、例えばヒトおよびウシ血清アルブミン、ゼラチン、炭水化物、糖アルコール、例えばグリセリン、エリトリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトール、プロピレングリコール、プルロニック、界面活性剤、ならびにこれらの組合せが挙げられる。賦形剤は、本発明の溶液または懸濁液の多機能成分であることができる。]
[0019] 本明細書中で使用される用語「有効量」とは、所望の生物学的効果を実現するのに必要または十分なVLPの量を指す。その組成物の有効量は、選択された結果を達成する量であるはずであり、そのような量は当業者による日常業務で決めることができる。例えば、感染症を予防、治療、および/または寛解するための有効量は、本発明のVLPに曝露したときに抗原特異的免疫応答の発生を引き起こして免疫系の活性化を生じさせるのに必要な量であることができる。この用語はまた、「十分な量」と同義である。]
[0020] 本明細書中で使用される用語「感染因子」とは、脊椎動物において感染症を引き起こす微生物を指す。一般にはこれら微生物は、ウィルス、細菌、寄生虫、および/または真菌である。]
[0021] 本明細書中で使用される用語「ガラス」または「ガラス状態」または「ガラス状マトリックス」とは、流動能力の顕著に低下した液体を指す。すなわち、これは1010〜1014パスカル−秒の範囲のきわめて高い粘度を有する液体である。それは、分子が振動運動を有するが、きわめて遅い(ほとんど測定不可能な)回転および並進成分を有する準安定な非晶質系とみなすことができる。準安定系としてそれは、ガラス転移温度をはるかに下回る温度で貯蔵した場合、長期のあいだ安定である。これらガラスは熱力学的平衡の状態ではないので、ガラス転移温度、またはその近傍の温度で貯蔵したガラスは、平衡するまで緩み、それらの高い粘度を失う。得られたゴム状またはシロップ状の流動性液体は、多くの場合、化学的また構造的に不安定である。ガラスは多くの異なるルートにより得ることができるが、どのルートをとったとしても物理的にまた構造的に同一物質であるよう見える。本発明の目的用のガラス状マトリックスを得るために用いられる方法は、一般には溶媒昇華および/または蒸発技術である。]
[0022] 本明細書中で使用される用語「ガラス転移温度」は記号Tgによって表され、組成物がガラス状またはガラス質の状態からシロップ、またはゴム状の状態に変化する温度である。一般にTgは示差走査熱量測定法(DSC)を用いて求められ、標準的にはその転移を走査した時にその組成物の熱容量(Cp)変化の開始が起こる温度として捉えられる。Tgの定義は常に自由裁量によるものであり、どのような国際的な申し合わせも存在しない。このTgは転移の始まり、中間点、または終点として定義することができ、本発明の目的では本発明者等は、DSCおよびDERを用いたときのCpの変化の始まりを使用することにする。C. A. Angellによる“Formation of Glasses from Liquidsand Biopolymers”: Science, 267, 1924-1935 (Mar. 31, 1995) という標題の論文およびJan P. Wolanczykによる“Differential Scanning Calorimetry Analysis of Glass Transitions”: Cryo-Letters, 10, 73-76 (1989) という標題の論文を参照されたい。詳細な数学的処理に関してはGibbsおよびDiMarzioによる“Nature of the Glass Transition and the Glassy State”: Journal of Chemical Physics, 28, NO. 3, 373-383 (March, 1958) を参照されたい。これらの論文は参照により本明細書に援用される。]
[0023] 本明細書中で使用される用語「安定な」製剤または組成物は、その中の生物活性物質(例えばVLP)が、貯蔵時にその物理的安定性および/または化学的安定性および/または生物学的活性を本質的に持ち続けるものである。安定性を測定するための様々な分析技術が当技術分野で利用可能であり、例えばPeptide and Protein Drug Delivery, 247-301, Vincent Lee Ed., Marcel Dekker, Inc., New York, N. Y., Pubs. (1991) およびJones, A. の論文、Adv. Drug Delivery Rev. 10: 29-90 (1993) 中で概説されている。安定性は、選択された期間について選択された温度で測定することができる。トレンド分析を用いて、材料がその期間のあいだ実際に貯蔵されるよりも前に、予想貯蔵寿命を見積もることができる。]
[0024] 本明細書中で使用される用語「ワクチン」とは、脊椎動物に投与することができる形態のVLPを含有する、また感染症を予防および/または寛解するのに十分な、かつ/あるいは感染症の少なくとも1つの症状を緩和するのに十分な、かつ/あるいは別の用量のVLPの効力を高めるのに十分な、防御免疫応答を誘発させる製剤を指す。宿主中に導入したときにそのワクチンは、これらに限定されないが抗体および/または細胞毒の産生、ならびに/あるいは細胞障害性T細胞、抗原提示細胞、ヘルパーT細胞、樹枝状細胞の活性化を含めた免疫応答および/または他の細胞応答を誘発することができる。一実施形態ではVLPワクチンは糖ガラスを伴い、かつ/または糖ガラスで安定化された。]
[0025] 本明細書中で使用される用語「ウィルス様粒子」(VLP)とは、少なくとも1種の属性がウィルスに似ているが、感染性であることが実証されていない構造を指す。本発明によるウィルス様粒子は、それらのウィルス様粒子のタンパク質をコードする遺伝情報を持たない。一般にウィルス様粒子はウィルスのゲノムを欠き、したがって非感染性である。さらにウィルス様粒子は、多くの場合、異種発現によって大量に産生させることができ、また簡単に精製することができる。]
[0026] そのまま注入できる溶液状態のワクチンまたは薬物は、本質的に不安定である。この不安定性に取り組むための方法は当業界で知られている(例えば凍結乾燥)。しかしながら不正確な再構成、または乾燥したワクチンもしくは薬物は、間違った投与量または汚染された溶液を生じさせる恐れがあり、またワクチンもしくは薬物の凍結および/または解凍もまた間違った投与を引き起こす恐れがあるので、それは不便かつ本質的に危険である。したがって、ワクチンの送達をより容易かつより安全にし、コールドチェーンへの依存性を減らしかつ/またはワクチンの熱安定性を高めかつ/または免疫介入の回数を減らす新規な改良されたワクチン製剤に対する必要性が存在する。このようなワクチン製剤は、世界中のワクチンの配給をより効率的かつ経済的にするはずである。]
[0027] ワクチン製剤の改良における根本原理の一つは、乾燥状態で安定な抗原を得ることである。固形タンパク質性薬物を調製するために最も普通に使用されている方法は、フリーズドライ(凍結乾燥)である。しかしながら凍結乾燥の間にそのタンパク質性薬物(proteinaceous drug)は、それによって活性が失われる恐れのある凍結および乾燥のストレスにかけられる。したがって凍結乾燥の有害な作用を防止するために保護剤が必要とされる。]
[0028] 炭水化物は、凍結、乾燥、および貯蔵の間のタンパク質およびワクチンのような様々な種類の薬剤原料を保護することができることが知られている。適切に乾燥される場合、タンパク質性薬物は、非晶質ガラス状態の炭水化物(糖ガラス)からなるマトリックス中に取り込まれる。これらの糖ガラスの安定化効果は、拡散および分子の易動度を大きく低下させ、かつ粒子と分子の間の物理的バリヤーとして働くマトリックスの形成によって説明されてきた。このガラスマトリックスによってもたらされる易動性の欠如および物理的バリヤーの両方が、その乾燥された材料の凝集および分解を防止する(Amorij, JP等、(2007) Vaccine, 25, 6447-6457)。]
[0029] 糖ガラスを製造するにはその糖を炭水化物、例えば糖のガラス転移温度より低い温度で乾燥しなければならない。このガラス転移温度は、それより下では非晶質材料の物理的性質が固相(ガラス状態)の物理的特性に似た形で変化し、またそれより上では非晶質材料が液体(ゴム状態)のように挙動する温度である。材料のガラス転移温度Tgは、それより下では分子の相対的可動性がほとんどない温度である。Tgは、ガラスおよびプラスチックなどの完全または不完全非晶質相に一般に適用することができる。Tgより上では熱運動と比較してポリマー鎖間の二次結合すなわち非共有結合が弱くなり、そのポリマーはゴム状になり破壊することなく弾性変形できるようになる。]
[0030] 糖ガラスは、そのTg温度より低い温度で糖混合物を乾燥したときに作られる。活性分子を含有する糖溶液は乾燥されるにつれて、その糖の溶解限度に達したとき結晶化するか、または過飽和シロップになることができる。結晶化に抵抗する糖の能力が、すぐれた安定剤の非常に重要な特性である。トレハロースは、ガラスを作ることがよく知られている(Green J L.およびAngel C A. Phase relations and vitrification in saccharide water solutions and the trehalose anomaly. J. Phys. Chem. 93 2880-2882 (1989))が唯一のものではない。さらなる乾燥により、漸次シロップが凝固し、低い残留含水量においてガラスに変わる。気付かないうちにその活性分子は、水中の溶液から乾燥した糖ガラス中の固溶体に変化する。化学的拡散はガラス中では無視してよく、したがって化学反応は事実上止まる。変性は化学変化であるのでガラス中では起こることができず、分子は安定化する。]
[0031] したがって本発明は、関連する少なくとも1種のウィルス様粒子(VLP)と糖ガラスとを含む組成物を含む。一実施形態では前記VLPを前記糖ガラスで覆う。一実施形態では前記VLPは前記糖ガラスと関連する(associate with)。一実施形態では前記糖ガラスは、単糖および/または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。他の糖には、ガラクトース、マンノース、キシロース、ソルボース、ラクトース、パラクトース、ラフィノース、マルトデキストリン類、メレチトース、マルトース、フルクトース、アラビノース、キシロース、リボース、ラムノース、キシリトール、エリトリトール、トレイトール、グルコナート、および/またはこれらと同様のものが挙げられる。この懸濁液または溶液は、例えばポリマー、例えばデンプン、デンプン誘導体、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、および/またはデキストランを含むこともできる。]
[0032] 本発明の別の実施形態において、前記VLPが糖ガラスと関連している場合、VLPは周囲温度において安定である。好ましくは、前記糖は、ガラス状製剤中の前記VLPを不安定にするような凍結温度において結晶化しないものである。この懸濁液または溶液中で使用される糖の量は、そのVLPの性質、糖の種類、および意図する用途によって変わることになる。しかしながら、一般には糖の最終濃度は、約1重量%〜40重量%の間、より好ましくは約1重量%〜20重量%の間である。一実施形態ではその懸濁液または溶液は、約60mg/mlのトレハロースを含む。別の実施形態ではその懸濁液または溶液は、約50mg/mlのマンニトールを含む。別の実施形態ではその懸濁液または溶液は、約30mg/mlのトレハロースおよび約25mg/mlのマンニトールを含む。別の実施形態ではその懸濁液または溶液は、約30mg/mlのトレハロースおよび約30mg/mlのマンニトールを含む。]
[0033] 一実施形態では前記VLPおよび糖ガラスの組成物は粉末であることができる。別の実施形態では前記粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される。他の実施形態では前記粉末は、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する。噴霧乾燥および凍結乾燥は当業界でよく知られている(米国特許第6,372,258号、同第7,258,873号、および同第5,230,162号参照(これらすべてはそれらの全体が参照により本明細書に援用される))。]
[0034] 本発明の製剤は、ウィルス様粒子(VLP)と糖ガラスとを含む。前記VLPは、少なくとも1種のウィルス核タンパク質(例えば、インフルエンザM1、レトロウィルスgag、RSVM、ニューカッスル病Mなど)および少なくとも1種のウィルス表面外被タンパク質(例えば、インフルエンザHAおよび/またはNA、HIVgp120、RSV F、ニューカッスル病F)を含む。キメラVLPは、そのVLP中に、一方のタンパク質がVLP形成(例えばマトリックスタンパク質)を推進することができ、かつ他方のタンパク質が異種感染因子由来のものである、少なくとも2種のタンパク質を有するVLPである。一実施形態では前記感染因子タンパク質は、その同じタンパク質の抗原変異を有することができる。別の実施形態では前記感染因子タンパク質は、関連のない因子由来のものである。別の実施形態では前記キメラVLPは、別の(異種の)タンパク質の膜内外および/または細胞質の領域と融合した一つのタンパク質の抗原部分を含むキメラタンパク質(融合タンパク質)を含む(2007年2月21日出願の米国仮特許出願第60/902,337号および2007年9月7日出願の米国仮特許出願第60/970,592号参照(これらの両方はそれらの全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される))。]
[0035] これら感染因子は、ウィルス、細菌、および/または寄生虫であることができる。VLPの表面で発現することができるタンパク質は、ウィルス、細菌、および/または寄生虫から得ることができる。ウィルス、細菌、および/または寄生虫から得られるこれらタンパク質は、脊椎動物における感染症を予防、治療、対処、および/または寛解するであろう前記脊椎動物中での免疫応答(細胞および/または体液の)を誘発することできる。]
[0036] 前記感染因子タンパク質を得ることができるウィルスの非限定的な例は、インフルエンザ(AおよびB、例えばHAおよび/またはNA)、コロナウィルス(例えばSARS)、肝炎ウィルスA、B、C、D、およびE3、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)、ヘルペスウィルス1、2、6、および7、サイトメガロウィルス、水痘帯状疱疹、乳頭腫ウィルス、エプスタイン・バーウィルス、パラインフルエンザウィルス、アデノウィルス、バンヤウィルス(例えばハンタウィルス)、コクサッキーウィルス、ピコマウィルス、ロタウィルス、ライノウィルス、風疹ウィルス、流行性耳下腺炎ウィルス、麻疹ウィルス、風疹ウィルス、ポリオウィルス(多型)、アデノウィルス(多型)、パラインフルエンザウィルス(多型)、トリインフルエンザ(様々な型)、船積熱ウィルス、西部および東部ウマ脳脊髄炎、日本脳炎、鶏痘、狂犬病ウィルス、遅発性脳ウィルス(slow brain virus)、ニワトリ肉腫ウィルス、パポバウィルス科、パルボウィルス科、ピコマウィルス科、ポックスウィルス科(天然痘または完全痘疱など)、レオウィルス科(例えばロタウィルス)、レトロウィルス科(HTLV−I、HTL V−II、レンチウィルス)、トガウィルス科(例えばルビウィルス)、ニューカッスル病ウィルス、西ナイル熱ウィルス、ダニ媒介脳炎、黄熱病、チクングニヤウィルス、およびデング熱ウィルス(すべての血清型)であることができる。]
[0037] 別の実施形態ではウィルス由来の特異的タンパク質は、インフルエンザウィルス(トリを包含する)由来のHAおよび/またはNA、コロナウィルス由来のSタンパク質、HIV由来のgp160、gp140、および/またはgp41、水痘帯状疱疹由来のgp IからIV、およびVp、黄熱病ウィルス由来のEおよびM前駆体/M、デング熱(すべての血清型)、または任意のフラビウィルスを含むことができる。脊椎動物における感染症を予防、治療、対処、および/または寛解することができる前記脊椎動物中での免疫応答(細胞および/または体液の)を誘発することできるウィルス由来の任意のタンパク質もまた含まれる。一実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のインフルエンザタンパク質を含む。別の実施形態では前記インフルエンザタンパク質は、HAまたはNAである。別の実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のRSVタンパク質を含む。別の実施形態では前記RSVタンパク質は、RSVM、F、および/またはGである。別の実施形態では前記VLPは、VZVタンパク質を含む。別の実施形態では前記VZVタンパク質は、gEおよび/または少なくとも1種のテグメントタンパク質である。]
[0038] 前記感染因子タンパク質を得ることができる細菌の非限定的な例は、百日咳菌(B.perutussis)、レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)、パラチフス菌AおよびB(S.paratyphi A and B)、ジフテリア菌(C.diphtheriae)、破傷風菌(C.tetani)、ボツリヌス菌(C.botulinum)、ウェルシュ菌(C.perfringens)、C.フェセリ(C.feseri)ならびに他のガス壊疽細菌、炭疽菌(B.anthracis)、P.ペスチス(P.pestis)、P.マルトシダ(P.multocida)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、淋菌(N.gonorrheae)、インフルエンザ菌(Hemophilus influenzae)、アクチノマイセス属(例えばノルカルジア属)、アシネトバクター属、桿菌科(例えば炭疽菌(Bacillus anthrasis))、バクテロイデス属(例えばバクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis))、分芽菌症(Blastomycosis)、ボリデテラ属、ボレリア属(例えばライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi))、ブルセラ属、カンピロバクター属、クラミジア属、コクシジオイデス属、コリネバクテリウム属(例えばジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae))、大腸菌(E.coli)(例えば毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic E.coli)および腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic E.coli))、腸内細菌属(例えばエンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes))、腸内細菌科(クレブシエラ属、サルモネラ属(例えば、腸チフス菌(Salmonella typhi)、サルモネラ・エンテリチジス(Salmonella enteritidis))、セラチア属、エルシニア属、赤痢菌)、ブタ丹毒菌、ヘモフィルス属(例えばヘモフィルス・インフルエンザB型(Haemophilus influenza type B))、ヘリコバクター属、レジオネラ属(例えばレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila))、レプトスピラ属、リステリア属(例えばリステリアモノシトゲネス(Listeria monocytogenes))、マイコプラズマ属、マイコバクテリウム属(例えば、らい病菌(Mycobacterium leprae)およびヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis))、ビブリオ属(例えばコレラ菌(Vibrio cholerae))、パスツレラ科、プロテウス属、シュードモナス属(例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))、リケッチア科、スピロヘータ門(例えば、トレポネーマspp.、レプトスピラspp.、ボレリアspp.)、シゲラspp.、髄膜炎菌、肺炎球菌およびレンサ球菌(例えば、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ならびにA、B、およびC群レンサ球菌)、ウレアプラズマ菌、トリポネーマ・パリヅム(Treponema pollidum)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)トキソイド、髄膜炎菌多糖体、百日咳菌(Bordetella pertusis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、破傷風菌(Clostridium tetani)トキソイド、ならびにマイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)である。]
[0039] 前記感染因子タンパク質を得ることができる寄生虫の非限定的な例は、リーシュマニア症(メキシコ熱帯リーシュマニア(Leishmania tropica mexicana)、熱帯リーシュマニア(Leishmania tropica)、森林型リーシュマニア(Leishmania major)、エチオピアリーシュマニア(Leishmania aethiopica)、粘膜リーシュマニア(Leishmania braziliensis)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)、幼児リーシュマニア(Leishmania infantum)、中南米内臓リーシュマニア(Leishmania chagasi))、トリパノソーマ病(ガンビアブルセイトリパノソーマ病(Trypanosoma brucei gambiense)、ローデシアブルセイトリパノソーマ病(Trypanosoma brucei rhodesiense))、トキソプラズマ病(トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii))、住血吸虫症(ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)、メコン住血吸虫(Schistosoma mekongi)、インターカラツム住血吸虫(Schistosoma intercalatum))、マラリア(三日熱マラリア原虫(Plasmodium virax)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparium)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、および卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale))、アメーバ症(赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica))、バベシア症(ネズミバベシア(Babesiosis microti))、クリプトスポリジウム症(ウシクリプトスポリジウム(Cryptosporidium parvum))、二核アメーバ症(二核アメーバ(Dientamoeba fragilis))、ジアルジア症(ランプル鞭毛虫(Giardia lamblia))、蠕虫病、ならびにトリコモナス症(膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis))に対して原因として働く因子である。前記リストは例示的であることを意味し、本発明をこれらの特定の細菌、ウィルス、または寄生虫性の生物体に限定することを決して意味するものではない。]
[0040] 本発明の別の実施形態は、糖ガラス中に少なくとも1種のVLPを含む組成物を含み、前記VLPは糖ガラス中にはないVLPと比較した場合、安定性が増加している。一実施形態では前記安定性の増加は、熱安定性の増加および周囲温度における安定性の増加である。例えば前記VLPが、紫外線散乱によって、あるいはサイズ排除クロマトグラフィーまたは任意の生物学的検定によって測定される色および/または透明度の外観検査時に凝集、沈殿、および/または変性の顕著な増加を示さない場合、それらVLPは医薬組成物中で「安定」である。「安定な」製剤または組成物は、その中の生物活性物質が、貯蔵時にその物理的安定性および/または化学的安定性および/または生物活性を本質的に持ち続けるものである。安定性を測定するための様々な分析技術が下記に記載されており、当技術分野で利用可能であり、また、例えばPeptide and Protein Drug Delivery, 247-301, Vincent Lee Ed., Marcel Dekker, Inc., New York, N. Y., Pubs. (1991) およびJones, A. Adv. Drug Delivery Rev. 10: 29-90 (1993) 中で概説されている。安定性は、選択された期間について選択された温度で測定することができる。トレンド分析を用いて、材料がその期間のあいだ実際に貯蔵されるよりも前に、予想貯蔵寿命を見積もることができる。例えばこの組成物は、室温(約25℃)において少なくとも3カ月間安定であることができ、かつ/または約2〜8℃において少なくとも1年間安定であることができる。さらにこの組成物は、その組成物の凍結(例えば−70℃まで)および解凍後に安定であることができる。別の実施形態では前記糖ガラスは、単糖または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。別の実施形態では前記安定化糖ガラスVLPは粉末である。]
[0041] このVLP関連糖ガラス組成物は、前記VLPの安定化を助ける追加の例外物を有することができる。したがって本発明には、VLPと、安定性の増加を助けるためのポリマー添加剤、アミノ酸添加剤、および/または界面活性剤との懸濁液または溶液などの組成物が含まれる。これら懸濁液または溶液は、バッファー、担体、保存剤、コロイド安定剤、充填剤、希釈剤、滑沢剤、両親媒性物質、および/または安定剤などの他の成分(すなわち賦形剤)を含むことができる。例えばポリマーは、例えば保護上および構造上の利点を与えるために、本方法の懸濁液または溶液中に含めることができる。ポリマーの線状または分岐鎖は、本発明の粒子組成物に、例えば強い構造強度を与えることができる。ポリマーは、本発明の粉体粒子の外側に保護膜および/または徐放性膜として塗布することができる。ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアミノ酸、例えばポリL−リシンなどの多くのポリマーは、水性溶液中での再構成速度を著しく高めることができる。本発明の方法におけるポリマー保護剤としては、例えばデンプン、ならびに酸化デンプン、カルボキシメチルデンプン、およびヒドロキシエチルデンプン(HES)などのデンプン誘導体を挙げることができる。その他には、加水分解ゼラチン、非加水分解ゼラチン、オバルブミン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、シアル化(sialated)した多糖、アクチン、ミオシン、微小管、ダイニン、カイネチン、ヒト血清アルブミン、および/またはこれらと同様のものが挙げられる。他の賦形剤をその製剤中に含めることもできる。例えば、アルギニンおよびメチオニンなどのアミノ酸は、製剤および組成物の成分であることができる。これらアミノ酸は、例えば、表面の加工時に荷電基を保護する双性イオンとして、また生物活性物質の非特異的結合を妨げる貯蔵容器として働くことができる。これらアミノ酸は、例えば、酸化物質を取り除くことによって、脱アミド物質を取り除くことによって、またタンパク質のコンホーメーションを安定化することによって、組成物の安定性を高めることができる。別の例では、例えば粉体粒子組成物において可塑剤として働くように、グリセロールを本発明の製剤中に含めることができる。例えば製剤成分の凝集を減らすため、および/またはフリーラジカルの破壊的化学反応を開始させる恐れのある金属イオンを取り除くために、EDTAを組成物中に含めることができる。]
[0042] 本発明のVLPおよび糖ガラスの組成物はまた、例えば、関係している特定の生物活性物質と共存できる界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、他の製剤成分の溶解度を高めて、より高濃度における凝集または沈殿を避けることができる。表面活性物質は、例えば、生物活性物質が気液界面で変性しないように、および/または噴霧中により細かい液滴を形成することができるように、懸濁液または溶液の表面張力を下げることができる。本発明による懸濁液または溶液は、約0.001〜5%の間、好ましくは約0.05〜1%の間、または約0.2%の非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、またはこれらの組合せを含む。]
[0043] 本発明の製剤に緩衝液を加えて、例えば本発明の方法の製剤および本発明の組成物にとって好適な安定したpHを与えることができる。本発明の一般的な緩衝液には、例えばアミノ酸、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ヒスチジン、グリシン、コハク酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、および/または炭酸塩が挙げられる。これら緩衝液は、例えば、約pH3.0〜約pH10.0、約pH4.0〜約pH8.0の範囲におけるpH安定性を与えるように適切な酸および塩の形態に調整することができる。例えばpH7.2のような中性に近いpHが、多くの組成物にとって好ましい。一実施形態では前記VLP関連糖ガラスは、0.5M NaClを伴うpH7.2のリン酸緩衝液を含む。]
[0044] 別の実施形態では前記VLPおよび糖ガラスの組成物は、前記糖ガラスを溶解しない非水性溶媒中に懸濁させた粉末である。別の実施形態では前記非水性溶媒は、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル、中鎖トリグリセリド、短鎖、中鎖、および/または長鎖モノグリセリド、ジモノグリセリド、およびトリモノグリセリド、脂肪族および芳香族アルコール、ヒドロフルオロエーテル、ペルフルオロエーテル、ヒドロフルオロアミン、ペルフルオロアミン、ヒドロフルオロチオエーテル、ペルフルオロチオエーテル、およびヒドロフルオロポリエーテルまたはこれらの組合せからなる群から選択される(国際公開第2005/099669号パンフレット参照(これはその全体が参照により本明細書に援用される))。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される。]
[0045] 別の実施形態では前記粉末は、噴霧乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される。別の実施形態では前記粉末は、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する。別の実施形態では前記粉末は、前記糖ガラスを溶解しない非水性溶媒中に懸濁される。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される。これらVLPは、前述の細菌、ウィルス、真菌、寄生虫由来のタンパク質を有することができる。一実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のインフルエンザタンパク質を含む。別の実施形態では前記インフルエンザタンパク質は、HAまたはNAである。別の実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のRSVタンパク質を含む。別の実施形態では前記VLPは、VZVタンパク質を含む。別の実施形態では前記VZVタンパク質はgEである。別の実施形態では前記組成物は、アジュバントをさらに含む。]
[0046] 本発明の別の実施形態は、糖ガラス中にVLPを含む乾燥粉末製剤を含む。一実施形態では前記糖ガラスは、単糖または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。別の実施形態では前記乾燥粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される。別の実施形態では前記粉末は、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される。別の実施形態では前記粉末は、投与前に溶媒中で再構成される。別の実施形態では前記粉末は、動物に対して吸入器を用いて吸入により、および/または高圧空気の噴射を用いて皮下に、投与される。この組成物は、前述の賦形剤のいずれかを含む。]
[0047] 本発明の別の実施形態は、固形の糖ガラス化VLPを溶媒中で再構成すること、および前記再構成したVLPを動物に投与することを含む、糖ガラスで安定化したVLPの送達方法を含む。一実施形態では前記VLPは、動物に対して、経口的、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される。]
[0048] 本発明の別の実施形態は、固形の糖ガラス化VLPを吸入および/または注入により投与することを含む糖ガラスで安定化したVLPの送達方法を含む。一実施形態では前記注入は、高圧空気の噴射により投与される。]
[0049] 本発明の別の実施形態は、前記VLPを糖ガラスに入れて製剤化することを含むVLPの熱安定性を高める方法を含む。一実施形態では前記糖ガラスは、単糖および/または二糖からなる。別の実施形態では前記単糖は、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される。別の実施形態では前記二糖は、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される。別の実施形態ではVLPを含む前記糖ガラスは粉末である。別の実施形態では前記粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される。別の実施形態では前記粉末は、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する。別の実施形態では前記粉末は、前記糖ガラスを溶解しない有機溶媒中に懸濁される。一実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のインフルエンザタンパク質を含む。別の実施形態では前記インフルエンザタンパク質は、HAまたはNAである。別の実施形態では前記VLPは、少なくとも1種のRSVタンパク質を含む。別の実施形態では前記VLPは、VZVタンパク質を含む。]
[0050] 当業界でよく知られているように特定の組成物の免疫原性は、アジュバントとして知られている免疫応答の非特異的促進剤の使用によって高めることができる。アジュバントは、未知の抗原に対する一般化された免疫性の増加を促進させるために試験的に使用されてきた(例えば、米国特許第4,877,611号)。免疫化プロトコルは、応答を刺激するために長年のあいだアジュバントを使用しており、したがってアジュバントは当業者によく知られている。ある種のアジュバントは、抗原提示方法に影響を及ぼす。例えばタンパク質抗原をミョウバンによって沈殿させると免疫応答は増加する。抗原の乳化もまた、抗原提示期間を延ばす。Vogel等の“A Compendium of Vaccine Adjuvants and Excipients (2nd Edition)”(その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される)に記載の任意のアジュバントを含むことは本発明の範囲内にあると考えられる。一実施形態では糖ガラス製剤組成物と複合体を形成した前記VLPは、少なくとも1種のアジュバントを含む。]
[0051] アジュバントの実例には、完全フロイントアジュバント(ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の死菌を含有する免疫応答の非特異的促進剤)、不完全フロイントアジュバント、および水酸化アルミニウムアジュバントが挙げられる。他のアジュバントは、GMCSP、BCG、水酸化アルミニウム、thur−MDPおよびnor−MDPなどのMDP化合物、CGP(MTP−PE)、リピドA、およびモノホスホリルリピドA(MPL)を含む。細菌から抽出した3種の成分を含有するRIBI、MPL、ジミコール酸トレハロース(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)を含む2%スクアレン/トゥイーン80エマルションもまた考えられる。MF−59、ノバソーム(Novasomes(登録商標))、MHC抗原もまた使用することができる。]
[0052] 本発明の一実施形態ではアジュバントは、脂質二重層のない大きな非晶質の中央空洞を取り囲む水性層によって分離されたほぼ球殻の形に配置された約2〜10層の二重層を有する寡層薄膜脂質小胞体(paucilamellar lipid vesicle)である。寡層薄膜脂質小胞体は、非特異的刺激剤として、抗原用の担体として、追加のアジュバントの担体として、またこれらの組合せとして、免疫応答の幾つかの道程を刺激するために作用することができる。例えば、抗原が小胞体の細胞外に残るように抗原と前もって形成した小胞体とを混ぜることによってワクチンを調製する場合、寡層薄膜脂質小胞体は非特異的免疫促進剤として働く。抗原を小胞体の中央空洞内に封入することによって、その小胞体は免疫促進剤および抗原用担体の両方として働く。別の実施形態では小胞体は、主として非リン脂質小胞体から作られる。別の実施形態では小胞体はノバソーム(Novasomes)である。これらノバソーム(Novasomes(登録商標))は、約100nm〜約500nmの範囲の寡層薄膜非リン脂質小胞体である。これらは、Brij 72、コレステロール、オレイン酸、およびスクアレンを含む。ノバソーム(Novasomes)は、インフルエンザ抗原に対して有効なアジュバントであることが示されている(米国特許第5,629,021号、同第6,387,373号、および同第4,911,928号参照(これらはその全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される))。]
[0053] 一態様においてアジュバントの効果は、リン酸緩衝生理食塩水に溶かした約0.05〜約0.1%溶液で用いられるミョウバンなどの薬品の使用によって達成される。別法ではVLPは、約0.25%溶液として使用される糖の合成ポリマー(カーボポール(Carbopol)(登録商標))との混合物として作製することができる。ある種のアジュバント、例えば細菌から得られるある種の有機分子は、抗原ではなく宿主に作用する。例は、ムラミルジペプチド(N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(MDP))、すなわち細菌のペプチドグリカンである。他の実施形態ではヘモシアニンおよびヘモエリスリン(hemoerythrin)もまた、本発明のVLPと共に使用することができる。他の軟体動物および節足動物のヘモシアニンおよびヘモエリスリンも使用することができるが、幾つかの実施形態ではスカシ貝(KLH)由来のヘモシアニンの使用が好ましい。]
[0054] 様々な多糖アジュバントもまた使用することができる。例えば、マウスの抗体反応への様々な肺炎球菌多糖アジュバントの使用が記述されている(Yin等、1989)。最適な応答を生ずるか、それとも抑制を生じない用量は、この記述のように使用されるべきである(Yin等、1989)。脱アセチル化キチンを包含するキチンおよびキトサンなどの多糖のポリアミン品種が特に好ましい。別の実施形態ではムラミルジペプチドの親油性二糖トリペプチド誘導体を、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルグリセロールから形成される人工リポソームに使用することを述べている。]
[0055] 両親媒性物質と表面活性物質、例えばサポニンおよびQS21(Cambridge Biotech)などの誘導体とは、本発明のVLPと共に使用されるアジュバントのさらに別の群を形成する。非イオン性ブロック共重合体界面活性剤(Rabinovich等、1994)もまた使用することができる。オリゴヌクレオチドは、アジュバントの別の有用な群である(Yamamoto等、1988)。Quil Aおよびレンチネンは、本発明の幾つかの実施形態で使用することができる他のアジュバントである。]
[0056] アジュバントの別の群は無毒化エンドトキシン、例えば米国特許第4,866,034号の精製した無毒化エンドトキシンである。これらの精製した無毒化エンドトキシンは、脊椎動物中でアジュバント応答を生じさせるのに効果的である。もちろん無毒化エンドトキシンは、他のアジュバントと組み合わせてマルチアジュバント製剤を調製することもできる。米国特許第4,435,386号に記載のように、例えば無毒化エンドトキシンとジミコール酸トレハロースの併用が具体的には考えられる。無毒化エンドトキシンとジミコール酸トレハロースおよびエンドトキシン糖脂質の併用(米国特許第4,505,899号)もまた考えられ、米国特許第4,436,727号、同第4,436,728号、および同第4,505,900号に記載のように無毒化エンドトキシンの細胞壁骨格(CWS)との併用、またはCWSおよびジミコール酸トレハロースとの併用も同様である。米国特許第4,520,019号に記載のように、無毒化エンドトキシンなしの単にCWSとジミコール酸トレハロースの組合せもまた有用であると考えられる。]
[0057] 当業者は、本発明に従ってワクチンと複合することができる様々な種類のアジュバントを知っているはずであり、それらにはとりわけ、アルキルリゾリン脂質(ALP)、BCGおよびビオチン(ビオチニル化誘導体を含めた)が挙げられる。使用することが具体的に考慮される幾つかのアジュバントは、グラム細胞由来のテイコ酸類である。それらには、リポテイコ酸(LTA)、リビトールテイコ酸(RTA)、およびグリセロールテイコ酸(GTA)が挙げられる。それらの合成の対応物の活性型もまた、本発明に関連して使用することができる(Takada等、1995)。]
[0058] 例えば、抗体を産生すること、または続いて活性化T細胞を得ることを望む場合、様々なアジュバントを、一般にヒトには使用されないものさえ、他の脊椎動物ではさらに使用することができる。例えば非照射腫瘍細胞を使用すると起こる可能性があるような、アジュバントまたは細胞のいずれかからもたらされる恐れのある毒性または他の悪影響は、このような環境では無関係である。]
[0059] 免疫応答を誘発させる別の方法は、本発明のVLPを「免疫促進剤」と一緒に製剤化することによって達成することができる。これらは、免疫系の応答を増大させるための体内の化学的メッセンジャー(サイトカイン)である。免疫促進剤には、これらに限定されないが、免疫賦活、免疫増増、および炎症促進作用を有する様々なサイトカイン、リンホカイン、およびケモカインを包含し、例えばインターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−12、およびIL−13);成長因子(例えば顆粒球マクロファージ(GM)コロニー刺激因子(CGF);ならびに他の免疫賦活分子、例えばマクロファージ炎症性因子、Flt3リガンド、B7.1およびB7.2などが挙げられる。免疫賦活分子は、インフルエンザVLPと同一の製剤において投与することもでき、また別々に投与することもできる。タンパク質またはそのタンパク質をコードする発現ベクターのいずれかを投与して免疫賦活効果を生じさせることができる。]
[0060] 適切な場合、本発明の糖ガラス関連VLPは、例えば動物に投与することができる。本発明の前記VLPおよび糖ガラスの組成物は、インフルエンザ、HIV、RSV、VZVのVLPを含むことができる。]
[0061] 前記VLPおよび糖ガラスの組成物は、局所的塗布によって患者に投与することができる。例えば粉体粒子を、患者の皮膚への塗布用に軟膏、担体外用薬、加圧液体、気体プロペラント、および/または浸透剤に直接に練り込むことができる。別法では粉体粒子を、例えば水性溶媒中で再構成してから塗布前に他の成分と混ぜ合わせこともできる。]
[0062] 前記VLPおよび糖ガラスの組成物は、吸入によって投与することができる。空気動力学的直径が約10μm未満の乾燥粉体粒子を肺投与のために吸入して肺中に入れることができる。任意選択で空気動力学的直径が約20μm以上の粉体粒子を鼻腔内に、または上気道に投与することもでき、その場合、それらは慣性衝撃によって空気流から患者の粘膜上へ移動する。あるいは粉体粒子を水性ミストとして吸入投与用の懸濁液または溶液に再構成することもできる。]
[0063] 前記VLPおよび糖ガラスの組成物は、注入によって投与することができる。その粉体粒子は、例えば高圧空気の噴射を用いて患者の皮下に直接に投与することができる。より一般的には粉体粒子は、例えば、中空注射針により注入するために滅菌水性緩衝液で再構成することができる。このような注入は、適宜に、例えば筋内、静脈内、皮下、鞘内、腹腔内などであることができる。本発明の粉体粒子は、用量および取扱いの考慮事項に対して適切な、例えば約0.1ng/ml未満〜約1mg/ml未満〜約500mg/ml、または約5mg/ml〜約400mg/mlまでの生物活性物質濃度で溶液または懸濁液に再構成することができる。再構成した粉体粒子は、例えば複数回予防接種用、IV輸液による投与用などのために、さらに希釈することができる。]
[0064] これらVLP物質の適切な用量(「治療に有効な量」)は、例えば、治療される状態、状態の重篤度および経過、その生物活性物質の投与が予防目的なのかまたは治療目的なのか、薬歴、患者の病歴およびその生物活性物質に対する応答、使用される生物活性物質の種類、および担当医の裁量に左右されることになる。これらVLPは、患者に1回または一連の投与を通して適切に投与され、また患者にいつ何時でも投与することができる。これらVLPは、唯一の治療として、または問題になっている状態の治療に役立つ他の薬物または療法と一緒に投与することができる。]
[0065] 一般的な提案としては投与されるVLPの治療に有効な量は、1回だけであろうとまたはより多数回の投与であろうと患者の体重1kgあたり約0.00001〜約50mgの範囲であり、使用されるタンパク質の典型的な範囲は、例えば毎日投与の約0.01ng/kg未満〜約20mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kg〜約15mg/kg(前記VLP上の抗原タンパク質で量られる)であろう。しかしながら他の投与計画も有効である。この治療の進捗は、従来の技術によって容易に監視される。]
[0066] 本発明はまた、高温で貯蔵されるVLPの「貯蔵寿命」または貯蔵安定性を増加させる方法を包含する。貯蔵安定性の増加は、加速老化実験における生物活性の回復によって求めることができる。本発明の方法によって生産される乾燥粒子組成物は、任意の適切な温度で貯蔵することができる。好ましくはこれら組成物は約0℃〜約80℃で貯蔵される。より好ましくはこれら組成物は約20℃〜約60℃で貯蔵される。最も好ましくはこれら組成物は周囲温度で貯蔵される。]
[0067] 実施例1:VLPの凍結乾燥
H5N1クレード2インフルエンザVLPを、同時係属中の2006年10月18日出願の米国特許出願第11/582,540号(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載の方法に従って作製し精製した。VLPを精製し、所望濃度の糖と共にPETG瓶中で所望濃度のNaClを伴うリン酸緩衝生理食塩水pH7.2中に懸濁させた。処方を表1に記述する。]
[0068] ]
[0069] 次に、この製剤(水性懸濁液)1.2mlを等分して2mlのUSP Type Iガラス瓶に入れた。これら製剤の効力は、40〜80μgHA/mlの範囲にあった。効力は、定量的単純放射状免疫拡散(sigle radial immunodiffusion、SRID)法を用いて測定した。Lyo-stopper(13mm、グレイクロロブチル)を瓶上に置き、それら全ての製剤を、2平方フィートのHull 2FS48C型凍結乾燥器を用いて表2中に概略を示したパラメータに従って、凍結乾燥によるガラス化に供した。]
[0070] ]
[0071] ガラス化の後、それぞれの瓶の中の材料を1.2mlの注射剤用滅菌水(WFI)で再構成してからVLPの効力および安定性を分析(凍結乾燥後)した。]
[0072] 実施例2:ガラス化後のVLP分析
再構成の後、単純放射状免疫拡散(SRID)、総タンパク質分析、粒径分析、HAおよびNA活量に関して調査を行った。総タンパク質は、BCA法(ビシンコニン酸を使用する市販のキットを用いた)によって測定した。粒径は、Malvernゼータサイザー(動的光散乱原理)を用いて測定した。HA活量は、TurkeyRBCを使用する赤血球凝集法を用いて測定し、またNA活量は、Munana試薬を用いた蛍光光度法により測定した。さらにSDS PAGEおよびウェスタンブロット分析を行った。表3〜表7および図1にこれらの分析の結果を要約する。]
[0073] ]
[0074] ]
[0075] ]
[0076] ]
[0077] ]
[0078] 図1AおよびBは、SDSおよびウェスタンブロットによってガラス化前およびガラス化後のHAおよびNAを含むVLPを比較する。図示のようにVLPのガラス化の後、それらのゲル中に示されるようにHAおよびNAの量の違いはない。したがってガラス化は、VLP、またはVLP上に発現する抗原を減らしも壊しもしない。] 図1A
[0079] これらの結果は、対照、Cryo-II、およびCryo-V製剤が特に、凍結乾燥時にVLPの物理的、化学的、および生物学的特性を最も効果的に維持したことを示している。糖なしの場合の保護効果(対照)は驚くべきものであった。しかし糖ガラスの利点は、より高温での安定性の検討から明らかにすることができる。]
[0080] 実施例3:高温におけるVLPの安定性
VLPを含有する水性懸濁液に対して推奨される貯蔵温度は4〜8℃である。凍結乾燥した瓶(対照、Cryo-II、およびCryo-V、5または12週間)を25℃および50℃で貯蔵してVLP安定性に及ぼす糖の保護効果を調べた。それらVLPを上記と同じ方法を用いて分析した。結果を下記の表に要約する(FD=凍結乾燥)。]
[0081] ]
[0082] ]
[0083] ]
[0084] 25℃において5週間までの対照と糖ガラス化製品のデータに顕著な違いがないように見えたが、対照の場合は12週間では顕著な効力(SRID値)の低下があった。50℃では対照製剤は、5週間以内にその効力を完全に失い、かつ凝集と生物活性の減損(HA滴定濃度により示される)とを示した。]
[0085] 糖ガラス化製剤(Cryo-IIおよびCryo-V)は、25℃では3ヶ月までその効力、粒径、およびHA滴定濃度を保った。50℃ではCryo-IIおよびCryo-Vの場合、それぞれ約13%および45%の効力の減損が観察され、一方、粒径およびHA滴定濃度は変らないままであった。トレハロースは、トレハロース+マンニトールの組合せよりもVLPの完全性を保つように見えた。]
[0086] 実施例4:VLPの噴霧乾燥
H5N1クレード2インフルエンザVLPを、同時係属中の2006年10月18日出願の米国特許出願第11/582,540号(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載の方法に従って作製し精製した。]
[0087] 0.15M NaClを用いたリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)400ml中にトレハロース24gを溶解することによって、トレハロースの6w/v%溶液で偽薬を調製した。この溶液を、0.22μメンブランフィルタを通過させることによって滅菌した。]
[0088] VLPを、PETG瓶中の0.15M NaClを用いたリン酸緩衝生理食塩水、pH7.2中に回収(約45μgHA/mlの効力)した。次いでトレハロースを加えて6w/v%溶液を構成した。この溶液を全てのトレハロースが溶解するまで静かに混ぜ合わせた(ハンドシエイク)。]
[0089] 次に噴霧乾燥器、すなわちガラスチャンバ(「Y」字形を有する2.4/3/4mmモルプレン(Morprene)チューブ)を備えたSD-Micro(Niro)を準備し、下記条件下で稼働させた。乾燥用空気として圧縮空気を使用した。各試験の条件を表11に示す。]
[0090] ]
[0091] 再構成の後、単純放射免疫状拡散(SRID)法、HA滴定濃度、粒径、およびNAAに関して調査を行った(前述と同様に)。さらにSDS PAGEブロット分析を行った。結果を表12、および図2のゲル上に要約した。] 図2
[0092] ]
[0093] これらのデータは、実際の効力(噴霧乾燥後に乾燥粉末の単位μgHA/mgで得られる効力)が、理論上の効力(物質インプット、例えばVLPの量、トレハロース、乾燥時約5〜10%の水分との仮定および95%を超える回復に基づいて計算によって推定される効力)に比べて遜色ないことを示しており、したがって噴霧乾燥の後、VLPの元の特性を保持することを示している。さらにSDS PAGEおよびウェスタンブロットゲル(図1A)は、これら製剤のいずれの場合も凍結乾燥の前後でバンドシフトまたはブロードニングがなく、その3種の主なタンパク質(HA、NA、およびM1)が完全な状態であることを示している。] 図1A
[0094] 本明細書中のすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個々に参照により示されて援用されるのと同じ程度に、参照により援用される。]
[0095] 前述の詳細な説明は単に明確な理解のためにのみ提供されており、幾つかの修正形態が当業者に明らかになるはずだが、不必要な限定をそこから推察すべきではない。本明細書中で提供される情報のいずれかが従来技術であるか、または現在特許請求されている発明に関係があること、あるいは具体的にまたは暗黙のうちに参照されている任意の刊行物が従来技術であることは認めていない。]
[0096] 別段の定義がなされない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的また科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。]
実施例

[0097] 本発明をその特定の実施形態と結び付けて述べてきたが、本発明がさらなる修正を受け入れる余地のあること、および本出願が、全般的には本発明の原理に従い、かつ下記のような本発明の開示内容からの逸脱、すなわち本発明の関係する当業界内の周知のまたは習慣的なやり方の範囲内にあるような、本明細書中で以前に述べた本質的な特徴に当てはまるような、また別添の特許請求の範囲の範囲に従うような逸脱を含む本発明の任意の変形形態、用途、または手直しを包含するものであることは理解されるはずである。]
权利要求:

請求項1
少なくとも1種のウィルス様粒子(VLP)と糖ガラスとを含む組成物。
請求項2
前記糖ガラスが単糖および/または二糖からなる、請求項1に記載の組成物。
請求項3
前記単糖が、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
請求項4
前記二糖が、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
請求項5
前記VLPおよび糖ガラスが粉末である、請求項1に記載の組成物。
請求項6
前記粉末が、噴霧乾燥、凍結乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される、請求項5に記載の組成物。
請求項7
前記粉末が、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する、請求項6に記載の組成物。
請求項8
前記粉末が、前記糖ガラスを溶解しない非水性溶媒中に懸濁される、請求項5に記載の組成物。
請求項9
前記非水性溶媒が、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル、中鎖トリグリセリド、短鎖/中鎖/長鎖のモノ/ジ/トリグリセリド、脂肪族および芳香族アルコール、またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
請求項10
前記粉末が、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、または粘膜(例えば舌下または頬側)投与される、請求項5に記載の組成物。
請求項11
前記VLPが、少なくとも1種のインフルエンザタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
請求項12
前記インフルエンザタンパク質がHAまたはNAである、請求項11に記載の組成物。
請求項13
前記VLPが、少なくとも1種のRSVタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
請求項14
前記VLPが、少なくとも1種のVZVタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
請求項15
少なくとも1種のVLPと糖ガラスとを含む組成物であって、糖ガラスなしの組成物と比べた場合、前記VLPが増加した安定性を有する組成物。
請求項16
前記増加した安定性が増加した熱安定性である、請求項15に記載の組成物。
請求項17
前記糖ガラスが単糖または二糖からなる、請求項15に記載の組成物。
請求項18
前記単糖が、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
請求項19
前記二糖が、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
請求項20
前記安定化糖ガラスVLPが粉末である、請求項15に記載の組成物。
請求項21
前記粉末が、噴霧乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される、請求項20に記載の組成物。
請求項22
前記粉末が、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する、請求項21に記載の組成物。
請求項23
前記粉末が、前記糖ガラスを溶解しない非水性溶媒中に懸濁される、請求項20に記載の組成物。
請求項24
前記粉末が、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される、請求項20に記載の組成物。
請求項25
前記VLPが、少なくとも1種のインフルエンザタンパク質を含む、請求項15に記載の組成物。
請求項26
前記インフルエンザタンパク質がHAまたはNAである、請求項25に記載の組成物。
請求項27
前記VLPが、少なくとも1種のRSVタンパク質を含む、請求項15に記載の組成物。
請求項28
前記VLPが、少なくとも1種のVZVタンパク質を含む、請求項15に記載の組成物。
請求項29
前記組成物がアジュバントをさらに含む、請求項15に記載の組成物。
請求項30
VLPおよび糖ガラスを含む乾燥粉末製剤。
請求項31
前記糖ガラスが単糖または二糖からなる、請求項30に記載の乾燥粉末製剤。
請求項32
前記単糖が、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される、請求項30に記載の乾燥粉末製剤。
請求項33
前記二糖が、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される、請求項31に記載の乾燥粉末製剤。
請求項34
前記乾燥粉末が、噴霧乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される、請求項30に記載の乾燥粉末製剤。
請求項35
前記粉末が、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する、請求項34に記載の乾燥粉末製剤。
請求項36
前記粉末が、動物に対して経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される、請求項30に記載の乾燥粉末製剤。
請求項37
前記粉末が、投与前に溶媒中で再構成される、請求項36に記載の乾燥粉末製剤。
請求項38
前記粉末が、動物に対して、吸入器を用いて吸入により、および/または高圧空気の噴射を用いて皮下に、投与される、請求項36に記載の乾燥粉末製剤。
請求項39
固形の糖ガラス化VLPを溶媒中で再構成すること、および前記再構成したVLPを動物に投与することを含む、糖ガラスで安定化したVLPの送達方法。
請求項40
前記粉末が、動物に対して、経口、吸入により、皮内、鼻腔内、筋内、腹腔内、静脈内、または皮下投与される、請求項39に記載の方法。
請求項41
固形の糖ガラス化VLPを吸入および/または注入により投与することを含む、糖ガラスで安定化したVLPの送達方法。
請求項42
前記注入が高圧空気の噴射により投与される、請求項41に記載の方法。
請求項43
VLPの熱安定性を高める方法であって、前記VLPを糖ガラス中に製剤化することを含む方法。
請求項44
前記糖ガラスが単糖および/または二糖からなる、請求項43に記載の方法。
請求項45
前記単糖が、グルコース、ソルビトール、ガラクトース、マンノース、およびマンニトールからなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
請求項46
前記二糖が、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、ラクツロース、およびスクロースからなる群から選択される、請求項42に記載の糖ガラスで安定化したVLP。
請求項47
前記VLPを含む糖ガラスが粉末である、請求項43に記載の方法。
請求項48
前記粉末が、噴霧乾燥、微粉砕、またはこれらの組合せによって製造される、請求項47に記載の方法。
請求項49
前記粉末が、約0.1nm〜約100ミクロンの間の平均粒径を有する、請求項48に記載の方法。
請求項50
前記粉末が、前記糖ガラスを溶解しない非水性溶媒中に懸濁される、請求項47に記載の方法。
請求項51
前記VLPが、少なくとも1種のインフルエンザタンパク質を含む、請求項43に記載の方法。
請求項52
前記インフルエンザタンパク質が、HAまたはNAである、請求項51に記載の方法。
請求項53
前記VLPが、少なくとも1種のRSVタンパク質を含む、請求項43に記載の方法。
請求項54
前記VLPが、VZVタンパク質を含む、請求項43に記載の方法。
請求項55
前記組成物が、バッファー、担体、保存剤、コロイド安定剤、充填剤、希釈剤、滑沢剤、両親媒性物質、および安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
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